真空管ギターアンプ自作
真空管ギターアンプで練習した方がピッキングがうまくなるとか,色々聞きかじってしまうと,電子工作好きとしては,作りたくなってしまいます.
以前も紹介したかと思いますが,参考文献として有名です.
設計の方法から部品の入手方法まで丁寧に書かれていて,楽しく読めます.
ほぼほぼこの本に従って製作してみました.トランスの入手が困難なことが多いのですが,東栄変成器さんの前を通りがかった時に「ありますか~?」と聞いたら「ギターアンプ(作るの)?,あるよ!」と見透かされた様に(笑)言われ,嬉しくて一気に作る方向へ加速した次第です.
普段数ボルトの回路しか作っていないので,280[V]とかの回路を作るのは部品集めの段階からドキドキで,小学生の時に初めて安定化電源を作った時の気分を思い出しました.実は,子供の頃からなぜかトランスが好きだったというのもあります.
真空管アンプは,半導体で構成された電子回路と比較して部品点数は少ないので,半田付けはサクサク終わるのですが,その前のシャーシの加工は結構時間がかかります.電源トランス用の四角い大穴を開けたり,真空管用の大きな丸穴を開けたり,ハンドニブラやシャーシパンチが大活躍です.
真空管は,ラジオデパートで揃いました.5AR4という整流管が結構お高いです.電流が流れた時に電圧降下が大きくなって,コンプレッサー的な働きをするから,ダイオード整流よりも整流管がギターアンプに向いているとか,色々な説があるので,今回はとりあえず使ってみましたが,発熱も大きく,寿命も一年くらいで交換らしいので,いずれダイオードブリッジに変更してしまうかも...
整流管の中で,5AR4は電圧降下が少ない方で,10Vくらいの降下で済みますが,5R4GYBとかだと63Vも降下しますので,パワー管の設計が変わってしまいます(電源トランスのタップを変更するという手もありますが).順方向の電圧降下が0.6~0.7[V]くらいのSiダイオードとはエライ違いです.最近は,ショットキーバリアダイオードのダイオードブリッジもあるので,尚更ですね.
今後,整流管をダイオードブリッジに変更する際は,パワー管に印加される電圧が高くなってしまうことにも注意が必要です(数百ボルトの世界での10Vの違いだから大したことないかも知れませんけど).
完成後については,次回に.