無線や高級オーディオ以上に汎用的に真空管が使われているのが,実はギターアンプの世界だったりします.今でも新品がギターマガジン他の雑誌に広告で掲載されているくらいです.ということで,自分としても気になるわけで,とりあえず本を買ってみました.「真空管ギターアンプの工作・原理・設計」という本です.技術屋でありながらギタリストという著者の文章は,軽妙でありながら,エンジニアにも読み易い正確さを伴っており,楽しく読めます.高級オーディオの様に肩が凝らず,無線機の様に難しくなく真空管の世界へ入っていくには一番かも知れません.歪み万歳!
電気工作と言えばハンダ付けというのが定番ですが,世の中では圧着が多用されています.
“ハンダは信頼性が低い”というのが大きな理由かと思います.
これは経年劣化(旧いハンダはボロボロっと崩れることがある)を指していたり,ハンダ付け不良の可能性を指していたり,あるいは大電流が流れた時にハンダだと吹き飛んでしまって耐えられないケースも考慮していたり,色々なケースがあります.
一昔前は,コンピュータ等のデジタル機器の試作品は全てラッピングを用いて配線していました.これも圧着の一種で,高い信頼性を誇っていましたが,高速信号には不向きなため最近は用いられていません.
また,それ以外の理由としては,私の想像ですが,やはり電源の無い現場ではハンダ付けよりも圧着の方がやり易いというのも少なからずあると思います.コテライザーとかもありますが,ぶっとい線のハンダ付けには向いてないですし.
電気工事士の技能試験では,リングスリーブを用いた圧着というのが出て来ます.束ねる線の断面積が8平方ミリメートルを超えると中スリーブ,それ以下ならば小スリーブ,とかいろいろルールがありますが,実際にやってみるとなかなか楽しいです.かなり力を加えて,いかにも金属同士が融合しています,という雰囲気があり,信頼性は高そうです.自作の大容量電源やパワーアンプとかでも使ってみると良いかも知れません.
自宅内の簡単な電気工事は自分でやりたいという希望と,この手の工事の技術への興味から,電気工事士の資格を目指すことにしました.電験3種を持っていると,筆記試験が免除になりますので,ひたすら実技試験の練習をすることに.黒本とかAtoZとか巷で評判の良い教科書を揃え,工具や部材セットについてもネットの情報と自分の好みでバラバラと用意し,気分を盛り上げていきました.
電力系のごつい工具類は,あまり持ち合わせが無かったので,結局ほとんど用意するはめになっています.特に重要なのは,圧着工具とペンチとナイフでしょうか.圧着工具についてはJIS規格を通ったもの限定なので,選択肢は限られます.VAストリッパーも本番では活躍させますが,当面は腕を磨く意味も含めて電工ナイフで練習をしています(ストリッパーを用いた作業は,普段弱電系作業でも慣れているので).
ペンチは,ぶっとい線を切る,曲げる,という作業に使うので,手の負担を減らすことを重点に選びました(大き目の方が,軽い力でザクッと切れるものです).今まで弱電系ではHOZANの工具にお世話になることが多かったですが,ペンチは定評のあるフジ矢の”電工職人ペンチ”を選びました.太い線でも楽に切断できて,なかなか良いです.このペンチは途中でモデルが変わったらしく,ペンチの先が普通のギザギザになっているものと,斜めギザが交差した形になっているものがあります.普通のタイプの方がしっかりつかめるとも言えますが,輪作りには,斜めギザ交差タイプの方が使い易い気がします.まあ,お好みで.
塗装で苦戦しています.季節がら,外で塗装していると虫がくっついたり,乾燥中に落っことして泥や傷がついたりして,何度もやり直している気が.きちんと乾かないうちに重ね塗りしているのも良くないのかも.もっと心にゆとりを持って臨まないといけませんね.
でも,早く音を出してみたくなるんですよねぇ.