ウレタンは一回で厚塗りが出来るし,塗膜も丈夫なので簡単,という言葉のとおり,ギターの塗装は途中まで順調でした.ただ,後半にマスキングテープを剥がしたら,塗膜が一緒に釣られてビニールの様にはがれてしまってびっくり!
ウレタンの重ね塗りは適さない,一回目の塗装の上をサンディングして「足付」してからじゃないと二回目の塗膜ははがれやすい,いやいや,一回目の塗装から5分待って半乾きの段階で二回目を塗らないとダメ,などネット上に氾濫する情報に翻弄されつつ,自分としては,一回目の塗装の数日後,#400でサンディングしてから二回目を塗ったのですが.
他にも,サンディングの粉が残っていて白い点が残ったり,いろいろ不具合がありますが,ほどほどに修正して,次のステップへ進みたいと思っているところです.
なんだかんだ言っても,いろいろ起こるから楽しいのですが.
エレキギターのピックアップは繊細である.中波ラジオのバーアンテナよろしく,細い線を数千回,鉄の棒の周りに巻き,片側に磁石をくっつけ反対側で鉄の弦の振動を検出するというのが基本構造である.そのため,電灯線(最近は死語か?)の50Hzなど,身近なノイズを拾いやすい.それを避けるべく,弦を支えるブリッジをアースしたりするのであるが,その一環として,導電性塗料が活躍している.無線機ではアルミ,もしくは鉄で筐体を作ることでシールドしている.また,最近のノート型パソコンの筐体は軽量化のために樹脂で作られていることが多いが,ノイズを放出しない用に,内側に導電性塗料が塗られている.エレキギターは基本的には木でできているので,前述のバーアンテナの様なピックアップは,そのままではノイズの影響を受け放題である.それを避けるべく,ピックアップをとりつける部分の木部内壁に導電性塗料を塗ることが推奨されている.シールドを確実にするためには,導電性塗料を塗った内壁をアースに落とす必要がある,そのため,内壁にはアース線をネジ止めをする.この様にまるで無線機のRFフロントエンドの様な加工を施されたピックアップ部で検出された微弱な電気信号はそのまま「シールド」と呼ばれる電線を通じてMarshallの真空管アンプに投入される.こんなに繊細な技術がロックミュージックを支えていることに驚き!
次から次へといろんなことに手を出して...と思われそうですが,エレキギターのピックアップがコイルと磁石で出来ていることから,電気屋としての血が騒いでしまいました.ピックアップについては後程詳細に触れようと思います.とりあえず,HOSCOという会社からキットが出ていたので,暮れに発注して,今,作っています.